ホテル・旅館などの宿泊施設においても大切な顧客管理。
予約情報や顧客情報の管理を紙ベースで行ってきた施設様も多くいらっしゃると思いますが、現在ではコンピュータシステムで管理している施設様も増えてきているかと思います。
本稿では、ホテルシステム（PMS）をはじめとしたシステム導入で、顧客情報をどのように活用できるのかについて解説していきます。
目次
1.管理すべき顧客情報と目的
顧客管理を行う大きな目的は、情報共有と業務の効率化です。管理すべき情報は大きく分けて「個人顧客情報」と「法人顧客情報」の2つがあります。
1-1.個人顧客情報
宿泊施設で使用される個人顧客情報は、氏名・年齢・性別・住所・電話番号・メールアドレスなどの基本情報や、予約経路、利用実績、顧客ランク、連絡の可否、問い合わせ情報、嗜好など様々です。
宿泊施設は24時間・365日稼働しており、スタッフもシフト制で業務を行っていますので、お客様の情報を細かく管理し、共有することが大切です。そのため、基本情報はもちろんのこと、問い合わせ情報なども詳細に共有し「誰が見ても分かる状態」にしておくことが、お客様へのコンプレイン・クレーム対応にもなりますし、スタッフ同士の引き継ぎ時間の削減にもつながります。
1-2.法人顧客情報
個人のお客様の顧客情報管理だけでなく、法人顧客情報の管理も大切です。売掛契約をしている企業であれば、請求先などの管理もしておく必要があります。
また、法人顧客であれば、社内の行事や新入社員研修での宿泊など、毎年決まった時期に利用してくれる事も考えられます。前年と同じ内容で行いたいけれど、企業の担当者が変わってしまう事もあるかも知れません。そのような時でも、顧客情報を管理しておけばスムーズな社内の引き継ぎやお客様への連絡が可能です。
2.顧客管理システム導入で、顧客情報をどのように活用できる？
情報共有だけを行うならば、紙台帳に書いた方が楽なのでは・・・？と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、システムを導入すると、より業務の効率化ができるのです。
一般に顧客管理システムというと、CRMが使われます。CRMとはCustomer Relationship Managementの略称です。顧客関係管理をするためのシステムで、顧客に関する情報をデータとして蓄積し、分析・活用することを目的としています。
宿泊施設の場合でもCRMの導入により顧客管理の効率は見込めますが、宿泊施設の場合はホテルシステム（PMS）を導入し、顧客管理を行うことをおすすめします。なぜなら、予約管理や宿泊管理など宿泊施設に必要な多くの機能を備えているからです。こちらの項では、PMSで顧客管理を行う活用例について紹介します。
2-1.顧客に沿ったサービスが可能に！
宿泊施設には、日々多くのお客様がいらっしゃいます。お客様によって、嗜好やリクエストはさまざまです。例えば客室へのリクエスト１つとっても、角部屋がいい・エレベーター前は避けてほしい・眺望のいい部屋など・・・。このようなリクエストも基本情報とともに登録しておけば、空室状況を見ながら、お客様の希望に合った部屋を用意することが可能になります。
また、食事付きのプランやレストランがある施設様の場合は、お客様のアレルギー情報や食べ物の好みなども共有できます。それにより、一人一人のお客様に沿ったサービスの提供が可能になるのです。
2-2.顧客対応や利用履歴の管理が可能に！
前述の通り、多くのお客様がいらっしゃいます。そのため、特別な対応をしたり、問い合わせを受けた場合は「どのようなリクエストや問い合わせを受け、実際にどのような対応を行ったのか」なども細かく共有しておく必要があります。その場合もシステムであれば、スムーズに共有が可能です。
また、過去の利用実績も管理できるので、顧客ランクなどのセグメンテーションが可能になります。
2-3.顧客情報の連動で複数システムでの情報共有が可能に！
宿泊部門だけではなく、レストラン部門や婚礼・宴会部門など複数の部門がある宿泊施設も多くあります。その場合、部門ごとにシステムを導入して管理する施設様もありますが、フルサービスで提供しているPMSであれば、共通の顧客情報を用いることが可能になります。
宿泊・レストラン・宴会の顧客情報を一貫して管理することで、利用履歴の共有はもちろんですが、レストランでの精算分を部屋付けすることも可能になるのです。
2-4.Excel出力で分析も可能に！
また、顧客情報も含め売上や利用の実績をExcelへ出力することで、情報の分析を行うことが可能になります。また、必要な情報を手入力せず、システムから直接Excelへ出力することで、入力作業負荷を軽減したり、入力ミスなどのヒューマンエラーを防ぐことにもなります。
まとめ
本稿では、ホテル・旅館における顧客管理について解説してきました。日々多くのお客様がいらっしゃり、それぞれのお客様に沿ったサービスを提供することはなかなか大変ですが、業務効率化の１つとして顧客管理システムやPMS導入を検討する際のお役に立てればうれしいです。
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