宿泊施設で働く人にとって、「レベニューマネジメント」「レベニュー」など日常的によく使う言葉の1つです。本稿では、レベニューマネジメントについて解説しておりますので、
「聞いたことはあるけど、詳しく知らないかも・・・?」という方や、「どのような仕組みで客室の料金が決まっているのか知りたい!」という方のお役に立てたら嬉しいです。
〇レベニューマネジメントの仕組み
宿泊業界におけるレベニューマネジメントとは、「顧客の需要に合わせて宿泊料金を変動させること」です。宿泊施設の販売している「客室」は、その日しか販売することが出来ず、在庫を持ち越すことが出来ません。そのため、空室が出てしまうと、その客室の価値が無価値になってしまいます。
レベニューマネジメントは、こうした販売機会の損失リスクを防ぎ、実際の売上を確保するというメリットをもたらします。
それでは、需要が高い時・低い時について、一般的にはどのように宿泊料金を変動させるのかそれぞれ確認していきましょう。
・需要が高い時
宿泊施設の需要が高い時には、通常よりも宿泊料金を高く設定します。
需要が高い時と言えば、「年末年始・GW・お盆の時期などの大型連休、アーティストのライブ・イベント、スポーツの試合が開催される時」などがあります。
旅行に行く人や、遠方からライブへ訪れる人などで、観光地やライブ会場近隣の施設は一気に需要が高まります。「高い宿泊料金を払っても泊まりたい!」という宿泊客が存在するので、通常時より宿泊料金を高く設定しても、予約が入るようになります。
・需要が低い時
逆に、需要が低い時には、通常よりも宿泊料金を低く設定したり、割引を行ったりします。
割引の例としては、〇日前までに予約すると宿泊料金が安くなる「早割」や宿泊日の前日や当日に宿泊料金が安くなる「直前割」が挙げられます。
早割であれば、先の日付の予約にお得感を持たせ、早いうちから予約を取り込み、稼働を確保する為に行い、また直前割であれば、残室の売り残しを防ぐ為に行います。
常に同じ価格ではなく、顧客の需要に合わせて、宿泊料金を変動させ、1日当たりの売上を最大化できるようにします。
・宿泊施設における3つの経営指標
このように宿泊施設は、顧客の需要に合わせて、月ごとや週ごとはもちろん、1日の中で何回も料金を変動させたりしています。
また、直近数年間の料金や経営指標のデータを基に分析を行い、日々の宿泊料金や、年間・月間・当日の売上目標などを設定しているのです。
満室を目指して販売するのはもちろんですが、それだけではなく、OCC、ADR、RevPARなどの経営指標も目標として設定し、達成を目指します。
利用可能室数100室のホテルが10,000円の宿泊料金で販売を行い50室販売することが出来た時・・・
OCC(客室稼働率)→50÷100×100%=50% OCCは50%
ADR(客室平均単価)→売上合計額は、10,000×50=500,000
500,000÷50=10,000 ADRは10,000円
RevPAR(販売可能客室1室あたりの売上)→50%×10,000=5,000 RevPARは5,000円
などといった計算を行い、算出していきます。
客室価格を高く設定しすぎると予約が減って稼働率は下がり、価格を下げて稼働率を上げようとすると収益は上がりません。RevPARもチェックし、OCC・ADRを調整して収益を最大化させることが大切になります。
〇レベニューアシスタントツールを導入しよう
レベニューマネジメントについて、「レベニューマネージャー」という戦略的にホテル客室の価格をコントロールする専門のスタッフがいる施設も存在しますが、そのような専門のスタッフがいなくても、簡単にレベニューマネジメントを行うことができる「レベニューアシスタントツール」があります。
過去の予約データや、競合施設の動向などの情報を分析することで、客室料金や在庫管理の最適化を実現します。
システムの導入によって、需要と供給のバランスを調整し、最大の収益を上げるための戦略的なアプローチを行う事ができます。
「レベニューアシスタントツール」のメリットやデメリットなど、詳しくはこちらの記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
「レベニューアシスタントツール」には、レベニューマネジメント機能に特化した専用ツールと、レベニューマネジメント機能が搭載されたPMSの2タイプに分けられます。個々の機能をよく比較検討し、それぞれの施設に合ったシステムで、業務効率化を図りましょう。
〇まとめ
本稿で解説してきたレベニューマネジメントについて、最後にまとめです。
レベニューマネジメントとは、顧客の需要に合わせて宿泊料金を変動させること
OCC、ADR、RevPARなどの経営指標も目標として設定し、達成を目指す
⇒RevPARをいかに最大化できるか、施設に最適な金額にできるかが大切
簡単にレベニューマネジメントを行うことができる「レベニューアシスタントツール」を活用する
弊社のホテルシステム(PMS)も、「レベニューアシスタントツール」と連携することが可能になっておりますので、ぜひ少しでも興味を持っていただけた方は、商品・サービスのページもご覧ください。
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